2004年04月07日
海外の司法書士と世界の登記事情
昨日司法書士の歴史っぽい話になったので、ちょっと掲示板での質問にあった海外の司法書士と世界の登記事情について。この部分は参考にする資料がなくうろ覚えで書かせて頂きます。正確ではない部分もあると思いますが、ご了承下さい。
今でこそ司法書士の業務は登記・訴訟・成年後見・クレサラ等といった職域が増えていますが、ちょっと前までの「司法書士=登記」というイメージの上で説明します。このイメージでいくと司法書士は登記申請をするのが、メイン業務になります。不動産・会社について法務局に登記申請するのがお仕事ということになります。
海外での登記はどうなっているんでしょうか?一応英国系登記制度(イギリス・ニュージーランド・オーストラリア)と大陸系登記制度(ドイツ・フランス)があるようです。その他には、過去にスイスの登記簿を見たことがありますので、スイスの一部の州では登記制度があるようですし、中国などにもあるようです。
それではこれらの登記制度がある国に司法書士がいるかというと、答えは「NO」です。日本でいう司法書士の登記関係のお仕事は、ドイツではこの登記は公証人が行っているようですし、その他の国では弁護士がやっています。そもそも登記制度を採用していない国のほうが多いですから、その制度自体なければ司法書士もいない訳です。登記制度があっても公証人や弁護士の業務の一部ですから、登記に特化した司法書士という職業は、海外にないことになります。
先日、以前勤めていた会社(ロイター、イギリスの通信社です。)の最初(新卒時代)のボス(トム)がニューヨークから出張で東京に来てるというので、久しぶりに飲みに行きました。会社を辞めて以来会ってなかったので、当然「今何をやっているんだ?」という質問をされます。そもそも海外にない仕事ですので、司法書士という英語もありません。説明するのが面倒だったので、「日本独特の仕事で、ある一定分野(登記・簡裁)に特化した弁護士の一種だ。」と説明しました。トムはイギリス人なので、なんとか通じたようです(笑)。