本文へスキップ

司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年07月08日

商業登記簿謄本

やっとSさんと連絡取れました。電話に出た瞬間「落ちた。」の一言。自己採点によると択一が70%ぐらいなので、また来年受けると言っていました。「また商法を憶え直すと思うとうんざり。」と言っていたので、「受かっても商法やり続けないといけないから、結局同じだよ。」と励まして(?)おきました。同じと言いつつも、試験の精神的なプレッシャーの事を考えるとやっぱ辛そうです。
試験はさておき、今日は一部の人に誤解されている商業登記簿謄本の話。Q&Aにも多少触れていますが、現在かなりの法務局がコンピューター化されています。昔ながらのコンピューター化されていない法務局で取得できるのが俗に言う「商業登記簿謄本(謄本)」です。コンピューター化されている法務局ではこの登記簿謄本が「現在事項全部証明書」と「履歴事項全部証明書」になりました。「現在事項全部証明書」は従来の登記簿謄本から現に効力のある部分のみを抜粋したものです。最新のデータのみですから、退任した役員などは記載されません。また「履歴事項全部証明書」は過去3年の登記の変遷がわかるデータが記載されています。過去3年間の商号変更や本店移転、役員変更の経緯等がわかります。法務局がコンピューター化されると、従来の登記簿謄本は閉鎖されます。かなり昔のデータが必要な場合はこの「閉鎖登記簿謄本」を取得すれば良い訳です。
ここからちょっとマニアックです。ある法務局がコンピューター化されたのが平成9年1月だとするとそれ以前のデータは「閉鎖登記簿謄本」に記載されています。「履歴事項全部証明書」は過去3年分なので、「履歴事項全部証明書」には平成12年7月から平成15年7月までがカバーされます。じゃあ空白の期間である平成9年2月から平成12年6月までのデータはというと「閉鎖事項証明書」に記載されるようになっています。やみくもに謄本を取ろうとしても、これを知らないと自分の必要じゃない謄本を取得するハメになります。お気をつけ下さい。ちょっと長くなりましたので、つづく。(←せこい?)

2003年07月07日

司法書士試験おつかれさま

昨日司法書士試験が行われたようです。受験生の皆さんおつかれさまでした。自己採点されては一喜一憂されていることと思います。また怖くて自己採点されてない方もいらっしゃると思います。口述試験(もしくは来年?)に向けて頑張って下さい。受験したであろう友人のSさんの携帯に連絡しているのですが、折り返しがありません。大丈夫なんでしょうか??
試験では90点でも合格しますが、実務では100点以外は登記できないという業界です。絶えず100点取れるような申請書を提出できるように日々神経すり減らしています。今回の試験の商業登記の書式(記述式)で役員の名前が「己野さん」だったそうです。普通取締役甲野太郎とくれば二人目の取締役は「乙野」ですが、正解は「己野」。そんな細かい事どうでもいいじゃないか。というようなところでしょうが、実務でこれやっちゃうと登記簿が汚れてしまって、(いったん錯誤による更正登記を入れます。履歴事項にはしっかり残ってしまいます。)お客には怒られる或いは関与先が1社減ってしまう悲しい場面ですね。難しい論点を限られた時間の中で消化しながら解答していかなければなりませんから、こんな「己野さん」は見落としてしまいそうです。でも注意力がいやでも要求されてしまう業界ですから、合格者は案外みんな出来てるんじゃないでしょうか。昔の予備校の模試にはそういう配慮?からか鈴木さんならぬ「鈴本さん」や甲野一郎さんならぬ「甲野一朗さん」がよくあったなと思い出しました。こんなくだらない問題がメインではなく、試験では清算型包括遺贈とか厳しい問題が出たようです。
受験生の皆さん、ちょっと一休みして、口述試験に向けて頑張って下さい

2003年07月04日

誰にも聞けない質問

司法書士事務所によって得意分野・不得意分野は色々あります。「不動産登記」しかやらない事務所、「会社・法人登記」が中心の事務所、「裁判事務」、「破産」、「クレサラ」、「成年後見」と事務所・あるいは事務所所在地によって力を入れている分野は異なります。田舎の事務所で「うちは会社登記を中心に頑張るぞ!」といったところで、会社が少ない地方では生活していけませんし、「成年後見やるぞ!」と決めても後見人名簿に登載されていないと始まりません。また「訴えてやる!」と意気込んでも特別研修を受けて考査をパスしないと始まりません。
司法書士の仕事も色々ありますから、自分の不得意な事はそれを専門にしてる先生に教えてもらったりします。でも気軽に聞けるのはやっぱり、同期の先生です。
特種な事例の質問は、法務局や裁判所等と相談することもできますし、専門でやられてる先生に聞いても可笑しくはないです。でも初心者・受験生でも知ってそうなことは、今更誰にも聞けません。でも同期なら笑って教えてくれますし、同期には、大笑いして教えてあげます。
一般的な事務所は不動産登記が中心となりますから、会社・法人登記をしばらくやってない事も珍しくありません。今日もそんな会社法がらみの質問が同期からありました。聞くは一時の恥と言いますが、本当に誰にも聞けない質問でした。質問のやり取りを公開しようと思いましたが、同期の面目にも関ることですので、質問内容は省略させて頂きます(笑)。

2003年07月03日

もうすぐ司法書士試験

私の特別研修が終わり、暇になったので、大学の頃のゼミの同級生Sさんに連絡を取りました。「Sさん、飲まな〜〜い?」すると、「こっちは直前、試験終わったら飲もうよ。」とあっさり断られました。なんのこと?と思っていたら、司法書士試験を受けるみたいです。
例年だいたい第一日曜日に予定されていますので、本当に直前です。Sさんには受かってもらいたいところですが、不況で就職困難な時代ということもあり、2〜3%の狭き門。うまく突破できますやら?
司法書士試験はとにかく科目が多いです。憲法・民法・商法・刑法・不動産登記法・商業登記法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法の択一試験と、不動産登記法・商業登記法の事例問題をベースに申請書を書かせる、通称「書式」と呼ばれる記述式の試験が行われます。これに受かると口述試験。最終的に合格が確定するのは11月頃です。司法書士の実務に即した内容となっていますので、試験のメインは民法・商法・不動産登記法・商業登記法です。80%は最低でも取らないと受かりませんから、厳しい試験だと思います。私と一緒に試験勉強していた仲間も5年目ぐらいで諦め、皆就職してしまいました。とにかく人間の記憶力の限界に挑むような試験ですから、試験範囲をだいたいカバーできるまで2年ぐらい(専業受験生だと1日7〜10時間×2年)かかります。
2年も時間を投資していますから、回収しようとさらに数年をかけてしまって、泥沼にはまってしまいます。ちまたで評判のロー・スクールに行ったほうが早いかもしれません。年に一度しかチャンスがありませんし、精神的にもクタクタ・ガタガタになってしまいますので、あまりお薦めできる試験じゃありません。
もう一度やれ!と言われて絶対やりたくないのが、司法書士試験とキリマンジャロ登山です(笑)。受かるといいね。Sさん。

2003年07月02日

「不動産登記ネットでOK」

今日も日本経済新聞の一面より。毎日ネタが日経の一面にあると楽ですね。記事の見出しは「不動産登記ネットでOK」という軽い感じのものでしたが、業界的には大問題です。何が大問題かと言うと不動産登記申請がすべてオンラインに変更されるということです。現在不動産の売買があると、権利証・印鑑証明書・原因証書(売買契約書等)・住民票・委任状などを登記の申請書に添付して法務局に提出することで登記簿の内容が変更される仕組みになっています。オンライン申請になると、権利証がなくなり、登記識別記号(パスワード)に、委任状のハンコの代りは電子認証を付した委任データに変更されたものをネット経由で法務省に提出することになります。今でも権利証を紛失しましたなんて話は、たまにありますが、パスワードになると忘れちゃいましたという人が続出しような気がします。大規模な停電・サーバーのダウン・データの流出など問題点は数え上げたらキリがありません。司法書士事務所によってはまだネット環境にない所もまだまだありますし、一体どうなっちゃうんでしょうか??思ったよりも早めに導入されそうですが、安定稼動するまで業界内は不安でいっぱいといったところでしょうね。
今後は「パスワードを書いた紙を金庫に保管」なんてアナログなことになりそうです。
アナログな人が多いこの業界、とっても大変そうです。前職(ロイター時代)とは全く無関係な業界だったはずですが、ネットワークの知識が重宝しそうです。
P.S.
私の師匠のT先生の日課でもある「毛筆による権利証の宛名書き」が無くなるのかと思うとちょっと寂しい気がします(笑)。