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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2003年06月11日

B5サイズ

さっきからいいネタないか、事務所をグルグル回ってます。新聞の細かい記事をさがしたり、まるで〆切に追われた4コマ漫画家のようです。
散々考えた末「申請書」の話。
ほとんどの企業で書類というとA4版だと思います。前の職場でもA4用紙以外を使うことはほとんどありませんでした。そういった世間の流れなのか裁判所に提出する書類もA4サイズに変更されましたし、公証人役場でも定款はA4サイズにして下さいという所が増えてきました。しかしながら我々の業界ではB4用紙・B5用紙を主に使用しています。ご存知のように登記簿謄本はB5サイズですし、普段の登記申請は不動産・商業登記ともB4用紙を二つ折りして行っています。
お客様が、司法書士が使用している申請書を見る機会はほとんどありませんから、司法書士の業界標準がB5サイズということをご存知ない方もいっぱいいらっしゃると思います。例えば委任状をお客にメールで送信して、プリント・アウト後押印してご送付頂くと、B5サイズの原稿がいびつな形でA4用紙に印刷されたものに押印されて戻ってくることがよくあります。(わかってらっしゃるお客様も、会社にB5サイズの用紙が無いだけかも知れません。)
ページのレイアウトもろくに出来ないのかとか、パソコンのスキルが無いとか思わないで下さい。変な業界なんです。(一応Windowsは3.0の頃から仕事で使ってました。最近の若い人は見たことないでしょうね。ちなみに日本語は使えないバージョンです(笑)。)

2003年06月10日

招集期間1週間

今日は平成15年4月1日に施行された商法改正(コーポレートガバナンス関係)のお話。
先月から今月にかけて定時株主総会を開催される会社が多い時期です。監査役の任期が3年から4年に変更になったりしてますので、この総会で商法改正がらみの定款を変更しようとする会社も多いのです。
会社の体制がしっかりしている企業は、一連の商法改正を踏まえて、定款を変更する手続を取っているようです。
今回の改正で実に小規模の会社向きの変更内容があります。
それが
1.書面等による株主総会決議に関する条項
2.株主総会の招集に関する条項 です。
1.は商法253条1項で新設された箇所ですが、議決権を有するすべての株主が取締役又は株主の提案の内容、その提案に同意する旨を記載した書面によって当該提案に同意したときは、当該提案を可決する総会の決議があったものとみなすとされました。つまりこの制度を利用すれば株主総会そのものを開催しなくてすむことになります。
また2.は株主総会の招集通知を会日より2週間前に発することを要するもの(商法232条1項本文)の例外として定款に譲渡制限がある会社(商法204条1項)では、定款をもって1週間を限度として短縮する旨を定めることができるようになりました。(商法232条1項但書)
これらの改正点は非公開の株主小人数の会社ではかなり役に立つものだと思います。しかし、現実には、この手の会社には法務部も普通ありませんし、担当者も専任ではなく、他の業務の片手間にやられています。
株主が社長一人とか同族会社ならまだしも、他の方に出資してもらっている以上このあたりの手続は経営者としてきちんと遵守して欲しいと思います。遵守するなら、管理が楽なほうがいいですから、このあたりの商法改正を踏まえた定款変更を検討されてはいかがでしょうか?
お客「先生、招集期間1週間になったんでしょ?」と総会の2週間前に招集通知のチェックを頼まれました。
私「でも総会で定款変更してからじゃないとダメですよ。」
お客「えっ、商法改正したんじゃないんですか?」
私「改正してますけど、定款変更してからじゃないとダメですよ。」
お客「。。。」
私「ぎりぎり間に合いますから、急ぎましょう!」とまたしてもドタバタです。ちゃんと条文読みましょう(笑)。
【登記一口メモ】
第232条 総会ヲ招集スルニハ会日ヨリ2週間前ニ各株主ニ対シテ書面ヲ以テ其ノ通知ヲ発スルコトヲ要ス 但シ株式ノ譲渡ニ付取締役会ノ承認ヲ要スル旨ノ定款ノ定アル会社ニ於テハ其ノ期間ハ定款ヲ以テ1週間ヲ限度トシテ之ヲ短縮スルコトヲ妨ゲズ

2003年06月09日

会社の目的

今日は会社の目的のお話。会社の目的とは会社の事業内容のことです。
会社が新しい事業を始める時、会社を設立する時にはこの会社の目的を決めなければなりません。実はこれが結構クセ者です。なんでもいいかというとそうじゃありません。例えば「不動産の売買」はOKですが、「不動産の販売」だとNGです。建物の販売はあっても土地の販売はありえない訳です。土地は作ることができませんから、どっかから仕入れるしかないという理屈だそうです。目的には具体性・明確性がないと登記できないのです。(原則)
目的の具体性・明確性に気をつければそれでOKかというと、申請する場所(会社の本店所在地)によって登記できる、できないがあります。「以前の会社(横浜)ではこの目的で問題なかったのに、今度(港区)は登記できないって納得できない。」とかお客様に言われることがあります。ごもっともな話で私も納得してません。管轄の法務局の担当登記官が判断しますから、全国的な統一基準がない現状だとこんなことになる訳です。一般には、商都大阪は登記できる範囲が東京の基準より広いようです。
これは私の印象ですが、大阪>名古屋>地方都市>横浜>東京>東京商業地の順に範囲が狭くなっているようです。
【登記一口メモ】
去年ローマ字商号が認められるようになった影響で、目的にローマ字を使ってもよくなりました。「コンパクトディスク原盤の制作、管理及び販売」→「CD原盤の制作、管理及び販売」でOKです。
昔、インターネットプロバイダー業は当然登記できませんでしたが、今では何の問題もありません。(でもダメな法務局があるかも知れません)このくらい有名な目的も大丈夫ですと断言できないのも困りますね。

2003年06月06日

笑う相続人

「笑う相続人」という言葉を聞いたことありますか?
子供のいない夫婦で夫が死亡すると、相続人は奥さんと直系尊属(おじいちゃん・おばあちゃん)になります。夫が高齢の場合、直系尊属はすでに死亡していることが多いので、その場合は夫の兄弟姉妹が相続人になります。さらにこの兄弟姉妹が死亡していると甥・姪が代襲して相続人となります。
しかしここで困ったことが起こります。例えば
1.夫のお兄さん(義兄)が若い時に結婚
2.子供が生まれた後、離婚。
3.子供は義兄の別れた前妻が引き取る
4.その後義兄が再婚し、また子供ができた
5.その後奥さんが夫と結婚
こんなケースだと奥さんは義兄が過去に離婚したことすら知らないことが多いですし、義兄の前妻との間に子供がいることも夫の親族から知らされないままということがある訳です。
逆に義兄の前妻との間の子供(甥・姪)からすると生まれてから一度も会ったことのない、場合によってはその存在すら知らない人の相続人になってしまうのです。死亡した人を知らず、葬式があったことも知らず、ある日突然あなたが相続人です。と連絡があるのです。
このような相続人を業界では「笑う相続人」と呼びます。
唯一の財産が奥さんの居住している建物(夫名義)だけだと、場合によっては奥さんと笑う相続人の共有財産になってしまいます。子供のいない夫婦間の相続ではこんなことがありますので、やっぱり遺言を作成するに限りますね。

2003年06月05日

キリマンジャロ−その10(完結編)

テレビで「おい、眠るな!」と言いながら相手の顔をひっぱたく遭難シーンがありますが、それと同じで、すっかりクタクタの私は眠くなってきました。「10分眠る。あとで起こして!」と冒険野郎見習に吐き捨てるように言うと雪の中に座り込み寝てしまいました。
「Masa , wake up!」どうやら10分たったようです。見ると自分の体全体を雪が覆ってました。「こりゃ、眠ると死ぬな。」テレビのシーンは本当みたいです。
歩いても歩いてもキャンプ地に到着しません。
日も暮れそうになった時、遠くにいたシェルパが我々を見つけてくれました。やっと寝れる。そんなことをぼんやり考えてました。自分では遭難というより、ちょっと迷子になったぐらいに思っていたのですが、キャンプ地につくと大騒ぎになってました。皆さんに謝った後、グッスリ寝てしまいました。
小1時間たった頃、無理やり起こされました。「疲れていても高度が低いところに移動したほうがいいから。」というもっともな理由で、すぐに降りることになりました。ふらふらになりながらも、数日前にいたマンダラハットに到着。カップラーメンを食べて、すぐ吐いて寝てしまいました。
次の日ようやくゲートに到着。山を降りる時の記憶はあまりありません。ただ麓のホテルで数日ぶりに浴びたのシャワーが気持ち良かったことだけ憶えています。やっと娑婆に戻れた感じがしました。(完)
P.S.
結局10日分の大作になってしまいました。「どこが業務日誌じゃ〜!」とお叱りを受けそうな内容が続いてしまいましたが、明日からは従来の形式に戻ります。またネタ探しに悩まされる日々が続きそうです。