2013年10月03日
「半沢直樹」の最終回 会社法上どうなの??っていう箇所 その4
東京中央銀行ぐらいのメガバンクの取締役会で、大和田常務の常務取締役の解任のみの議案が提出される取締役会は開催されないでしょう。
となると他にも議案があるはずで、大和田常務にも取締役会の招集通知がなされており、ある程度の議案の内容は、わかっているはずです。
ちなみに、大和田常務は自分の解任議案は特別利害関係人となるので、常務取締役の解任議案の決議に参加できませんが、
他の議案には当然参加できます。
となると、
「大和田暁、本日付をもって常務取締役職を解任し、取締役への降格を命じる」
と言われても驚く必要はありません。自分が単に常務取締役を解任され、取締役への降格したことは知っているはず。
当然、呼び出されても驚くことはない。
だったらどうしてドラマの場面のような展開になったのか?
大和田常務以外の取締役の内諾を得ていて、実際にはまだ取締役会の招集もない段階で、「大和田暁、
本日付をもって常務取締役職を解任し、取締役への降格を命じる」という台詞を言ったとも考えられます。
でも断言し過ぎてますね。
となると、これ使ったのかな。
(取締役会の決議の省略)
第三百七十条 取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役
(当該事項について議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたとき
(監査役設置会社にあっては、監査役が当該提案について異議を述べたときを除く。)は、
当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができる。
「当該事項について議決に加わることができるものに限る。」となっているので、大和田常務以外の取締役に提案書を回して、
あの場面の日に同意書を回収していれば、
「大和田暁、本日付をもって常務取締役職を解任し、取締役への降格を命じる」という台詞も堂々と言えます。
多忙な取締役のスケジュールの調整も必要ないですし、岸川取締役も大和田常務の迫力に屈することもありません。ハンコ押しておしまい。
これが現実的なのかな。