2012年10月31日
死者の代表取締役重任登記
有名人の訃報が続きますね。
桑名 正博さんに続き、藤本 義一さんまでお亡くなりになりました。あの有名なテレビ番組「11PM」の火曜日・
木曜日の司会者でもありましたから、私のような年代には、馴染み深い方です。
あっという間に、訃報が流れる時代ではありますが、この方の場合、訃報がどこにもなかったようです。
style="MARGIN-RIGHT: 0px">生存見せかけ隠蔽工作か 山口シヅエ氏の元秘書直撃
〈週刊朝日10月28日)
今年4月に息を引き取っていた山口シヅエ元衆議院議員。女性初の国会議員で、「タレント議員」の走りと言える存在だった。が、
訃報はどこにも見当たらず、地元・墨田区押上の商店街でも、その死はまったく知られていない。(略)
周辺を調べると山口氏が所有する貸しビル会社「山口シヅエガーデン」の商業登記簿の記載におかしな点があることがわかった。山口氏は、
4月3日に死去しているのに、5月28日にこれまで務めていた代表取締役の重任が決まり、6月29日に登記されている。
死者が代表を務める会社が存在していいものなのか。5月28日には、O氏の親族とみられる男性も新たに取締役に就いた。(略)
死者を代表取締役に選定することはできるはずもありません。新たな選定はもちろんのこと、
既に登記簿に名前が記載されている場合の重任登記もできません。死者ですから、当然委任もできません。
もし代理人が死者を重任する登記を申請してしまっているとすれば、問題になります。
死んだ方からの委任で登記をしてしまった案件は、懲戒事例でよく目にします。
今回のようなケースで、周辺にいる人間が、代表取締役の死亡した事実を隠して、司法書士に登記の委任をするということは、
考えられなくもありません。大きな会社であればあるほど、代表取締役が生きてるかどうかの確認は難しくなります。
しかし騙されたとしても、申請意思の確認ができていなかったと責められるのは司法書士。
気軽に「社長生きてますか?」なんて聞けないだけに、絶えず司法書士に付きまとう問題です。