株式会社は、次に掲げる事由によって解散します。
<株式会社の解散事由>
1.定款で定めた存続期間の満了
2.定款で定めた解散の事由の発生
3.株主総会の特別決議
4.合併(合併により会社が消滅する場合に限る。)
5.破産手続開始の決定
6.裁判所の解散命令又は解散判決
会社に存続理由がなくなった等、事業を終了する場合には、株主総会の特別決議により会社を解散させることができます。株主総会の特別決議とは、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(この要件は定款により3分の1まで軽減可能)出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行う決議です。
会社が解散した場合、解散の日から2週間以内に解散した旨の登記を行う必要があります。
しかし、会社を解散しただけでは、会社の営業活動等を終了させただけにすぎず、債務の弁済、残余財産の分配、法人税等の申告など、解散後の会社を法律的な意味で終わらせるためには清算手続きをとる必要があります。
この解散後の清算手続きを行うのが清算人であり、通常は代表取締役が清算人に就任することが多いようです。この清算人についても登記しなければなりません。
通常、清算人の就任の登記は、会社の解散登記と同時に申請することとなります。
清算人が就任した日から、2週間以内に登記申請しなくてはなりません。
なお、清算人の就任の登記も会社の解散の登記も、申請人は代表取締役ではなく、代表清算人が行うことになります。
株主総会(解散決議・清算人の選任)
解散公告の手配
本店所在地を管轄する法務局への解散登記および清算人就任登記
債権者に対する官報公告
知れている債権者に対する各別の催告
清算手続き
(現務の結了、債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配)
株主総会(決算報告の承認)
本店所在地を管轄する法務局への清算結了登記
解散から清算結了への流れは、会社を消滅させる手続きですので、会社を取り巻く関係者(債権者等)との調整を図る必要があり、法定された清算手続きにしたがって行わなければなりません。
清算人による清算事務が終了したときは、清算人は清算事務終了時の決算報告を作成し、株主総会においてその承認を受けなければなりません。
決算報告の承認は株主総会の普通決議により行いことになります。
株主総会の普通決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う決議です。 そして、承認を得た日から2週間以内に清算結了の登記を行う必要があります。
このように、会社の解散させた場合には、解散時と清算結了時の2回登記申請が必要となります。
A.清算株式会社は、解散後、遅滞なく、一定の期間(2か月以上)内に、債権者に対して債権を申し出るべき旨並びに当該期間内に債権を申し出ないときは清算から除斥される旨を官報に公告しなければなりません。
また、知れている債権者に対しては、官報公告に加え個別の催告が必要となります。
A.個別の催告の対象となる知れている債権者については、金額的に重要かどうかは特に問題とされていません。
よって、条文上は一円でも知れている債権者となるので、個別の催告が必要であると考えられます。しかし、日常生活で生じるような少額な債権であれば、ことさら知れたる債権者として個別の催告をする必要はないと考える見解もあります。
実務上は、少額債権者に対する催告を省略することもあるようですが、手続上は瑕疵がある事になりますので、清算結了の無効等を主張される可能性も踏まえてどの範囲まで催告するかを決定する必要があると思われます。
A.現務の結了、債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配等の清算事務が終了した後、清算事務終了時の決算報告を作成し株主総会においてその承認を受けた状態が清算結了となります。
なお、決算報告の承認を受けたとしても、債務超過の状態では清算結了とはなりません。
ご依頼頂く場合は、次のような手続の流れになります。
※はお客様に行って頂く作業内容です。
1.お問い合わせ・ご依頼
解散の予定日等をお伺いし、詳細な手続きのご案内と、打ち合わせをさせて頂きます。
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2.費用のご案内
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3.費用のお振込み
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4.解散公告の手配
解散後速やかに解散公告が官報に掲載されるように手配させて頂きます。
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5.株主総会での解散決議
会社の解散について、株主総会での承認を得て頂きます。
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6.官報に解散公告の掲載
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7.必要書類の作成・送付
弊社にて必要書類を作成し、貴社に送付致します。
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8.必要書類の押印・返却
届きました書類に代表取締役の方等がご捺印をしてご返送ください。
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9.解散の登記申請
弊社にて法務局へ登記の申請を行います。
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10.登記完了
登記申請してから登記が完了するまでは、だいたい1週間から2週間程度かかります。
登記完了後、弊社からご依頼主様に登記事項証明書等の完了書類をお渡しします。
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11.株主総会での清算事務終了に関する決算報告の承認
官報掲載から2か月以上経過している必要があります。また、承認を受けても債務が超過している場合には清算結了とはなりません。
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12.必要書類の作成と押印
弊社にて必要書類を作成し、代表清算人の方等にご捺印をして頂きます。
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13.必要書類の押印・返却
届きました書類に代表清算人の方等がご捺印をしてご返送ください。
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14.清算結了の登記申請
弊社にて法務局へ登記の申請を行います。
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15.登記完了
登記申請してから登記が完了するまでは、だいたい1週間から2週間程度かかります。
登記完了後、弊社からご依頼主様に登記簿謄本(履歴事項全部証明書)等の完了書類をお渡しします。
登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
コピーでも結構です。現在の登記事項を確認するために必要となります。
極力取得から3か月以内のものをご用意ください。(尚、弊社にて取得することもできます。)
定款
コピーでも結構です。現在の定款の内容を確認するために必要ですので、現在のものをご用意ください。
(古い定款しかない場合、定款を紛失している場合はご相談ください。)
代表清算人となる方の個人の印鑑証明書(1通。3ヵ月以内のもの)
代表清算人として印鑑を届け出るのに必要となります。
ご担当者様の本人確認書類(運転免許証等)
ご本人様確認のために必要となります。詳しくは本人確認に関するお客様へのお願いをご覧ください。
株式会社の解散・清算人就任登記並びに清算結了登記をご依頼頂いた場合の費用は以下の表の様になります。
*以下の費用には、登記に必要な添付書類作成費用も含んでおります。
登記の種類 | 内容 | 報酬(税別) | 登録免許税等 | 合計(税別) |
解散・清算人選任 | 会社の解散のみの場合 | 40,000 | 39,000 | 79,000 |
会社解散・清算人就任 清算結了 |
会社を解散〜清算結了する場合 (官報掲載費を含む) |
70,000 | 約73,000 | 約143,000 |
尚、上記費用に含まれるもの、含まれないもの等の詳細につきましては、登記費用ページをご覧ください。
お申込みは司法書士法人ファルコ お問合せページから