相続登記とは、ある不動産を所有している人がお亡くなりになった場合に、その相続人に不動産の名義を変更する手続のことです。一般には、司法書士がこの相続登記の申請をしています。
稀にご自身で相続登記をやられる方もいらっしゃるようです。ご自身で、やってやれなくはないと思いますが、大変な手間と時間がかかると思います。
ある人(被相続人)に相続が開始した場合、誰が相続人となるかは、民法上、次のように規定されています。
第一順位 直系卑属※直系卑属とは、被相続人の子、孫、曾孫等です。 第二順位 直系尊属※直系尊属とは、被相続人の父母、祖父母、曾祖父母です。 第三順位 兄弟姉妹 |
となっています。配偶者はもちろん相続人です。
相続に関する用語集はこちらからご覧いただけます。→相続用語集ページ
相続登記は必ずしもしなければいけないものではありません。現に全国各地に相続登記がなされていない不動産は沢山あるようです。しかし、その対象となる不動産を処分する場合(売却等)は、相続登記をしなければなりません。
不動産をどうしても処分しなければならない事情ができて、いざ相続登記をしなければならない場合に、もし不動産の所有者が曾祖父さんの名義のままだとすると、どうなるでしょうか?
相続人は、ネズミ算式に増えていきます。つまり遺産分割協議に参加すべき人がどんどん増えてきます。周辺であれこれ口を挟む人も多くなります。お亡くなりになってすぐに、相続登記を終わらせておけば、簡単だったのに、時間の経過とともに難しくなっていきます。当然費用も高くなります。最悪なケースだと何年間も裁判しなければならなくなります。
それでは、将来その不動産を処分する予定がない場合はどうでしょうか? あなたの世代はそれでもいいかもしれません。しかしあなたのお子さんなどの次の世代にとっては「いい迷惑です。」さらに複雑になり、時間も費用も余計にかかります。
悲惨な結果を招かないためにも、もし自分名義にすべき土地や建物があるならば、今のうちに手続を済ませておきましょう。
相続登記に掛かる費用としては、登録免許税と司法書士報酬が必要になります。
相続登記を申請するには、登録免許税という税金が掛かります。登録免許税は個々の不動産の固定資産評価額をもとに計算します(評価額×0.4%)。
司法書士報酬は、不動産の個数・評価額・所在地、相続人の人数、相続の内容により、異なります。正確なお見積りは、案件全体(物件の調査や相続人の確定等)を把握してからでないとご案内できません。概算費用のみのお問合せは、ご遠慮下さい。しかしながら、余程特殊な案件でない限りは、下記のような費用になります。
【標準的なケース】
都内の普通の土地×1、建物×1を所有されている方がお亡くなりになって、相続人である奥さんと子供2人(成人)の名義に変更するような場合は概算で12万円から17万円ぐらいです。
相続登記を依頼される方は、揃えられる範囲で下記の書類をご用意下さい。印鑑証明書以外の書類はこちらでも取得できますので、揃えられるだけで結構です。
1.被相続人(お亡くなりになられた方)の戸籍謄本
(死亡時から10歳位まで遡ることのできる連続した戸籍謄本等)
※兄弟姉妹が相続人になる場合は、直系尊属が死亡している戸籍も必要になります。
2.被相続人の方の住民票の除票または戸籍の附票
(本籍地記載のもので、登記簿上の住所から死亡時の最後の住所までの住所移転の履歴が分かるもの)
3.各法定相続人の方の戸籍謄本(現在のもの)
4.各法定相続人の方の住民票(本籍地記載のもの)
5.不動産の固定資産評価証明書
6.不動産の登記簿謄本(又は、権利証のコピー)
この他、場合によって遺言書・遺産分割協議書・印鑑証明書等が必要になることもあります。
通常、戸籍等の書類を集めるのに1〜3週間程度、その後登記を申請してから完了するまで2週間程度かかります。