本文へスキップ

遺産相続登記・遺産分割・贈与・遺言書作成・抵当権抹消等の身の回りの法律相談なら、司法書士法人ファルコにお任せください。

相続放棄

相続放棄



相続が開始した場合、相続人の方が取れる選択肢としては次の三つのうちのいずれかとなります。

単純承認・・・相続人が被相続人(亡くなった方)のプラス財産(土地の所有権・預貯金等)やマイナス
        財産(借金等)をすべて受け継ぐもの。
相続放棄・・・相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がないもの。
限定承認・・・被相続人の債務がどの程度あるか不明であり、財産が残る可能性もある場合等に、相続人
        が相続によって得た財産の限度で被相続人の債務の負担を受け継ぐもの。


相 続 放 棄 と は


相続放棄とは被相続人の財産のすべてを放棄し、不動産、現金等の資産も借金等の負債も一切の財産を相続しないこと。相続開始を知った時より3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出しなければなりません。
相続人の方が相続放棄を申述することになります(相続人が未成年者または成年被後見人である場合には、その法定代理人が代理して申述します。)。
未成年者と法定代理人が共同相続人である場合に、未成年者のみが申述するとき(法定代理人が先に申述している場合を除く。)又は複数の未成年者の法定代理人が一部の未成年者を代理して申述するときは、当該未成年者について特別代理人を選任する必要があります。
     

申 述 期 間


申述は、民法によって、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。


相続放棄のQ&A

Q1.先月母(68歳、自営業)が亡くなりました。父は数年前に他界しておりますので、相続人は子供2人(私と妹)です。私は会社員で収入もあり、会社を辞める気はありません。妹に母の事業を引き継いでもらうため、母の遺産(プラス財産)は全て妹に譲りたいと思います。この場合、私が相続放棄すればいいのでしょうか?

A1.Q1のケースでは、相続放棄をしても、遺産分割協議を行ってもいいでしょう。但し、相続放棄は手続きが厳格なため、遺産分割協議をされるほうが対応しやすいと思われます。相続放棄してはいけない似たケース(Q2)と比較してみて下さい。

Q2.父が亡くなりました。相続人は母と子供2人(私と妹)です。私も妹も独立し、それぞれ収入もありますので、父の遺産(プラス財産)は全て母に譲りたいと思います。この場合、子供2人(私と妹)が相続放棄すればいいのでしょうか?
     

A2.Q2のケースでは、絶対相続放棄をしないで下さい。このような場合に子供が相続放棄してしまうと、母だけではなく、次順位の相続人(祖父・祖母や伯父伯母〈祖父母が既に死亡している場合も含む〉)も相続人となってしまいます。まとまる話がまとまらなくなってしまいます。確かに「相続放棄」は「相続財産はいらない」という側面はありますし、他の相続人にのみ相続させたい場合に相続放棄という手段を利用することはあります。 Q2のケースでは、母・子供2人とで遺産分割協議をし、母のみが相続するよう決めればいいのです。「相続放棄」≠「相続財産はいらない」ということをしっかり理解しておいて下さい。

Q3.父が亡くなったのですが、相続放棄を考えています。ただ自分が相続放棄した場合に誰が次の相続人になるかよくわかりませんので、教えて下さい。
  

A3.相続人には順位があり、その順位は以下の通りです。      
第1順位 相続人の子等 の直系卑属      
第2順位 相続人の父母等 の直系尊属      
第3順位 兄弟姉妹      
※被相続人に配偶者がいる場合は、配偶者は、常に相続人になります。

Q3のケースですと、第1順位の相続人は、被相続人(亡父)の子(相談者とその兄弟)と配偶者(母)になります。 この第1順位の相続人が全員放棄すると、相続人は、第2順位の相続人である被相続人の両親(「祖父」「祖母」)になります。 祖父母が既にお亡くなりになっている場合は、第3順位の相続人である兄弟姉妹(相談者から見ると「伯父・伯母等」)が相続人となります。 さらに伯父等も既に亡くなっている場合は、その子(相談者から見ると「いとこ」)が相続人となります。 結局相続人全員が放棄すると、次順位の相続人が相続することになります。 これらの方々も相続放棄する必要がでてきますので、事前に説明しておいたほうがいいでしょう

Q4.父(69歳、会社経営)が先月他界しました。父名義の不動産が都内にありますが、事業を営んでいたため、金融機関からかなりの借り入れをしています。不動産を相続し、借金のみを相続放棄するというのはできませんか?

A4.一部分のみについての相続放棄は認められません。今回のように不動産を相続し、借金のみを相続放棄することは出来ません。 相続人は、次の3つの中から選択することになります。
(1)亡くなった方の不動産や借金等を全て受け継ぐ単純承認 (民法第920条)
(2)亡くなった方の不動産や借金等を一切受け継がない相続放棄 (民法第939条)
(3)亡くなった方のマイナスの財産、プラスの財産がどれくらいあるのか不明な場合に、相続人が相続に
   よって得た プラスの財産の限度で亡くなった方のマイナスの財産を受け継ぐ限定承認(民法第922条)

Q5.どこの家庭裁判所で相続放棄の手続きを行えばいいのですか?

A5.被相続人の最後の住所地の家庭裁判所です。

Q6.父が先月他界しました。めぼしい財産はありませんが、どうやら約2000万円の借金があるようです。私は父の借金を返済しなければならないのでしょうか?

A6.「他人の借金ならともかく、実の父親の借金は返済しなければならない。」という道徳上のお気持ちは、お持ちかもしれません。しかし法律上は、必ず返済しなければならない訳でもありません。 今回はマイナス財産がはるかに多いようですので、お父様がお亡くなりになって3ヶ月以内であれば相続放棄できます。相続放棄した場合、あなたはお父様の相続に関しては、相続人とならなかったものとみなされますので、お父様の借金を返済する義務はなくなります。ご安心下さい。但し、相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きを行わなければなりませんのでお急ぎ下さい。


          

【参考までに】民法関連条文
     
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第915条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
    
(単純承認の効力)
第920条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。
    
(限定承認)
第922条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。

(相続の放棄の方式)
第938条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。

(相続の放棄の効力)
第939条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

         

相続放棄に必要となる書類

    

【共通】
1. 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
2. 申述人(放棄する方)の戸籍謄本   

申述人が,被相続人の配偶者の場合
3. 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

申述人が,被相続人の子又はその代襲者(孫,ひ孫等)(第一順位相続人)の場合
3. 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
4. 申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

申述人が,被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
3. 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
4. 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
5. 被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母))がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

申述人が,被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)
3. 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
4. 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
5. 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本
6. 申述人が代襲相続人(おい,めい)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

※ 同じ書類は1通で足ります。
※ 戸籍等の謄本は,戸籍等の全部事項証明書という名称で呼ばれる場合があります。
※ もし,申述前に入手が不可能な戸籍等がある場合は,その戸籍等は,申述後に追加提出することでも差し支えありません。
※ 裁判所での審理のために必要な場合は,追加書類の提出をお願いすることがあります。

相続放棄の費用

相続放棄の費用 相続放棄申述書作成の司法書士報酬は、1人当たり2万円となります。
また、戸籍謄本等を弊社にて取得する場合は、1通当たり2400円+実費が必要となります。
その他、裁判所に申述する際の手数料、郵送料がかかります。
 


    

お申込み


お申込みは司法書士法人ファルコ お問合せページから


相続放棄の業務取扱地域

  • 東京都港区(青山・赤坂・麻布十番・麻布台・愛宕・海岸・北青山・港南・芝・芝浦・芝公園・芝大門・白金・白金台・新橋・高輪・台場・虎ノ門・西麻布・西新橋・浜松町・東麻布・東新橋・三田・南青山・南麻布・元赤坂・元麻布・六本木 )
    東京都内(足立区・荒川区・板橋区・江戸川区・大田区・葛飾区・北区・江東区・品川区・渋谷区・新宿区・杉並区・墨田区・世田谷区・台東区・中央区・千代田区・豊島区・中野区・練馬区・文京区・港区・目黒区)・昭島市・あきる野市・稲城市・青梅市・清瀬市・国立市・小金井市・国分寺市・小平市・狛江市・立川市・多摩市・調布市・西東京市・八王子市・羽村市・東久留米市・東村山市・東大和市・日野市・府中市・福生市・町田市・三鷹市・武蔵野市・武蔵村山市) 神奈川県(横浜・川崎) 埼玉県 千葉県
  • 全国どこでも対応しております。上記以外の地域の方もお問合せください。



    司法書士法人ファルコお問合せページ

    司法書士法人ファルコ 電話でのお問合せ